コロナ禍を迎えてから、社会情勢の変化に付随して、大学による受験生の募集方法も変化してきました。
特に、2年前の2020年はオープンキャンパスなどのリアルなイベントが軒並み中止。
結果、オンライン上での情報発信を積極的に行う大学が増えました。
徐々にリアルな場が日常に戻ってきている今でも、引き続きオンライン施策に注力する大学は増えています。
変化したのは募集する側の大学だけではなく、応募する側の受験生も然りです。
日常的にオンラインツールを使いこなす高校生たちは、数年前と比較しても、大学選びの方法や基準が変わってきているのではないでしょうか。
こちらの記事では、現役高校生を対象に行った「大学選びに関するアンケート」の調査結果をご紹介します。
<調査概要>
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(現役の高校1年生~高校3年生)
回答者 : 1,965名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2022年4月21日〜4月25日
高校生の大学選びにおける情報収集について
大学選びに際して、はじめに起こすアクションを聞きました。
1位は「検索する」という結果に。
インターネットリサーチから始める高校生が、8割以上にのぼります。
2位は「周りの人に聞く」となりました。
家族、先生、友人など、信頼できる第三者に聞くことから始める高校生が一定数いるようです。
双方の回答者に対して、より具体的な行動内容を聞きました。
「検索する」ユーザーの大半は、最初に「大学サイトを見る」と回答しています。
また注目すべきは、2位に「YouTubeで検索」がランクインしていることです。
動画を通じて大学の情報を収集する傾向の表れだと考えられます。
「周りの人に聞く」ユーザーは、約4割が「家族に聞く」と回答しました。
両親や兄弟の意見が、大学選びに際して重要視されている傾向が見られます。
続く形で、「高校の先生に聞く」、「友達、同級生に聞く」という回答を得ています。
高校生が大学を選ぶ際に重視する内容について
高校生たちが、大学を選ぶ際に何を重視しているのかを調査しました。
重要視している要素を3つ選んでいただき、優先順位付けしてもらいました。
※本記事公開時、上記画像内のパーセンテージに誤りがございました。以下の通りお詫びして訂正いたします。(2024/02/01 15:00)
全国(n=1,956)における以下箇所
学びの内容 誤)62.6%⇒正)62.9% ネームバリュー 誤)16.3%⇒正)16.4%
1位に最も選択された項目は、「学びの内容」です。
全国の6割以上の高校生が、「学びの内容」を大学選びで最も重視しているようです。
大学選びで重視する項目の2位、3位で最も選択されたのは「立地」です。
「立地」は最も優先する要素ではないものの、通学などの観点から重要度が高いことがうかがえます。
2位では「ネームバリュー」、3位では「雰囲気」が高い割合で選択される結果になりました。
どちらも、大学選びにおける最後の決め手となるのかもしれません。
またここで、1位選択における地域別の割合を見てみました。
※本記事公開時、上記画像内のパーセンテージに誤りがございました。以下の通りお詫びして訂正いたします。(2024/02/01 15:00)
全国(n=1,956)における以下箇所
学びの内容 誤)62.9%⇒正)62.6% ネームバリュー 誤)16.3%⇒正)16.4%
いずれの地域でも「学びの内容」が1位となっておりますが、最も高い割合で1位に選択されている地域は中国・四国です。
項目別にみると、「学費・奨学金」「立地」を1位に選んだ割合が全国で最も高いのは近畿。
「学費・奨学金」は北海道・東北、「ネームバリュー」は関東と、いう結果となっています。
また、中部では「雰囲気」、九州では「立地」「雰囲気」を1位に選んだ割合が、全国平均を上回っています。
続いて、1位~3位までの間に選択された割合を分析しました。
※本記事公開時、上記画像内のパーセンテージに誤りがございました。以下の通りお詫びして訂正いたします。(2024/02/01 15:00)
全国(n=1,956)における以下箇所
学びの内容 誤)88.1%⇒正)88.3% ネームバリュー 誤)56.9%⇒正)57.0% 立地 誤)54.5%⇒正)54.4%
9割近い高校生が、3位までに「学びの内容」を選択している結果になりました。
「ネームバリュー」「立地」「雰囲気が良いから」「学費・奨学金」が、上位となっています。
こちらでも、地域別に傾向を見ていきます。
※本記事公開時、上記画像内のパーセンテージに誤りがございました。以下の通りお詫びして訂正いたします。(2024/02/01 15:00)
全国(n=1,956)における以下箇所
学びの内容 誤)88.1%⇒正)88.3% ネームバリュー 誤)56.9%⇒正)57.0% 立地 誤)54.5%⇒正)54.4%
「学びの内容」は、特に近畿(89.4%)、中国・四国(91.2%)、九州(90.1%)で高い割合となっています。
「ネームバリュー」は、三大都市を含む都市圏である、関東・中部・近畿では割合が高い結果ですが、中国・四国、九州では割合が半数を切っています。
地方圏でも「ネームバリュー」の重要性は高いものの、優先度は都市圏と比較すると下がるようです。
その分、地方圏では何が重視されているのでしょうか。
結果を見ると、北海道・東北、中国・四国、九州で「学費・奨学金」の割合が都市圏より上昇していることがわかります。関東では全国平均を下回る結果にもなっており、「学費・奨学金」は地方圏の高校生たちにとって重要度が高いと言えます。
そのほか、「立地」は中部および近畿で、「雰囲気」は中部および九州で割合が高い、という傾向も見られています。
地域ごとに大学選びで重要視するポイントが見えてきたところで、それぞれの選択理由の回答のご紹介です。
【調査項目】各項目の選択理由を教えてください。 ※任意で回答を回収、以下コメントの抜粋です
【結果】
〇「学びの内容」の選択理由
『目標としている職業が決まっているため、それに関連した内容を学びたいと考えているから』
『自分が学びたい内容が学べるのかが重要だと思うから』
〇「ネームバリュー」の選択理由
『有名な大学に入学すると就職する時に有利になると思ってるから。』
『就職などする際に学歴フィルターがある所だとやはりネームバリューは重要視すべきだと』
〇「学費・奨学金」の選択理由
『親に金銭面で大きな負担をかけることは避けたいから。』
『将来きちんと就職できるか分からないのに、返済するタイプの奨学金を受け取るのは怖いので、給付型奨学金の給付額が多い大学が良い。』
〇「立地」の選択理由
『将来働きたい土地で進学したいから』『下宿が出来ないから。』
〇「雰囲気が良いから」の選択理由
『知人がいない状態での再スタートになるので、自分楽しくやって行けるかが重要だと思うから。』
『4年は通うことになるので、直感的に嫌な感覚を抱いた場合は順位をさげます』
「学びの内容」の選択理由から、高校生たちは将来の働き方や夢を描いた上で、大学選びを行っていることがわかります。
また、大学で学ぶことの重要性をしっかりと理解しているようです。
都市圏で重要視されている「ネームバリュー」は、就職活動を見据えた回答を多く得ました。
ビジネス街で働くサラリーマンを目にする機会や、情報に接することが多い地域に住んでいる高校生たちほど、就職活動への意識の高さがうかがえます。
また「学費・奨学金」に関しては、金銭面や親の負担を気にする回答が大半でした。
地方圏では周囲に大学がない環境も少なくないため、下宿・一人暮らしありきで大学を選ぶ高校生も多いと思います。
居住地域によって、大学選びで考慮すべき要素は大きく異なります。
高校生に向けた情報発信を行っている教育機関にとっても、地域事情は注目すべきポイントであると言えそうです。
Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。
企業・教育機関などで、若者を対象とした共同調査や研究をご希望する方は、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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