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Studyplusトレンド研究所

“年賀状離れ” のきっかけは受験勉強?友人へ年賀状を送る割合は受験を控えた中学3年生・高校3年生で低下

更新日:2023年3月7日




寒い日が続き、年末年始に差し掛かってきました。

学生たちはもう間もなく冬休みというところでしょうか。

Studyplusトレンド研究所では今年、中高生を中心に若い世代を対象にした調査を複数行ってきた中で、学生たちとSNS・スマホとの距離の近さを感じてきました。

コミュニケーションツールとしてSNSを使いこなす中高生たちですが、年末年始の挨拶はどのように行っているのでしょうか?

日本には古くから年賀状文化がありますが、昨今では “年賀状離れ” という言葉もよく耳にします。

今回は、中学生・高校生・大学生を主な対象とし、「年賀状に関するアンケート調査」を実施しました。

8,361名の学生たちの、年賀状や年始挨拶に対して感じている生の声を、ご紹介します。


 

<調査概要>

  • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(中学生・高校生・大学生等)

  • 回答者  : 8,361名

  • 調査方法 : インターネット調査

  • 調査時期 : 2022年12月9日〜12月13日


※回答者の内訳

 中学1年生255名、中学2年生420名、中学3年生1,233名、

 高校1年生1,358名、高校2年生1,559名、高校3年生2,527名、

 大学1年生305名、大学2年生180名、大学3年生189名、大学4年生172名、専門学生等163名

 

※本記事におけるデータは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。



 

まずは、今年のお正月に友人から年賀状を受け取ったかどうかを聞きました。


全体の約7割が、友人から年賀状を受け取ったと回答。

中学生では約8割、高校生では7~8割が受け取ったと回答しており、大学1・2年生は約5割、大学3・4年生は3割程度となりました。

学年を重ねるにつれて、受け取った割合が低くなっているようです。


続いて、今年に年賀状を受け取った枚数です。



最多回答は、「1~10枚」。全体の約7割です。学年別の結果も確認していきます。




「1~10枚」の割合が、中学→高校→大学と上がるにつれて高くなっていることが分かります。

中学生では、約3割が「11~20枚」と回答をしていました。




年賀状を受け取った際の感想を自由回答で求めたところ、主に5つのジャンルの回答を得ました。



1.疎遠になっている友人、遠方の友人と連絡ができてうれしい

久しぶりに友達の様子が知れて嬉しかったし会いたくなった。
コロナ禍で遠方に住む友達の様子が分からなかったけれど、久しぶりに話すことが出来たのでうれしかった。

2.自分のために時間を使ってくれたことが嬉しい

ネット社会でわざわざ年賀状を書いて送る手間と時間をかけてもらえることが嬉しかった。
自分のために時間を割いて文を書いてくれたことが嬉しかった。

3.正直なところ面倒

今はラインでやり取りできるから返すのが面倒。
返事を書かなくてはいけないので内心面倒に思った。

4.お返しができず(遅れ)申し訳なく思った

嬉しかったけど、時間の余裕的に返信できず申し訳なく思った。
嬉しかったが、返事を出す時間がなく申し訳なく感じた。

5.手紙でのやりとりは新鮮

今はスマホでのやり取りが増えている中、手書きでのやり取りが新鮮で楽しかった。
いつも連絡をとっていても、文字で気持ちを伝えられるのは新鮮で嬉しかった。

「嬉しい」という好意的な意見が多い一方で、「面倒」「申し訳ない」といったネガティブな意見もありました。

「新鮮」という声からは、日常的なコミュニケーションにおけるスマホの浸透具合、また手書きとの距離感がわかるかと思います。


 

続いて、今度のお正月の意向に関する結果をご紹介します。

どれくらいの割合の学生たちが、友人に年賀状を送るのでしょうか?


全体では、約4割が「送る」と回答しました。学年別の傾向も確認します。




中学2年生(73.6%)から中学3年生(56.6%)で17%減、高校2年生(46.9%)から高校3年生(25.0%)で21.9%減と、受験学年で低下の傾向が見られます。


大学生になると各学年で3割未満となっており、学生たちにとっての “年賀状離れ” は、受験が一つの契機になっているのかもしれません。




ここからは、「年賀状を送る」と回答したユーザーを深掘りします。

まずは送る枚数を伺いました。


今年受け取った枚数と同様、「1~10枚」が主流となっておりました。

学生たちが友人たちとやり取りする平均枚数と捉えてもよいかもしれません。



続いて、年賀状をどのように作成するか、という質問です。

年賀状の形式は、「すべて手書き」が18.4%、「手書き+印刷」が76.8%。

全体の9割以上が、手書きをしている結果になりました。

今の学生たちも、年賀状を送る際には、一つ一つメッセージを書き込んでいることがわかります。


なぜその形式を選んだのか聞いたところ、それぞれ以下のような理由の回答を得ました。



「すべて手書き」


1.気持ちが伝わる/もらってうれしい

個人的に手書きでもらうと嬉しいから。

2.印刷のほうが大変(お金がかかる・手段がない・面倒)

印刷の方が楽だけど、お金がかかるから。
印刷のやり方がわからないから。
印刷するのがめんどくさいから。

3.作るのが楽しい

一人一人に違うデザインのはがきを作るのが楽しいから。
その人のことを考えてデザインするのが楽しいから。

「手書き+印刷」

1.枚数が多い

枚数が多いと全て手書きは大変なので印刷したものにコメントを書いて送る。
もらったときに自分へのコメントがあると嬉しいから。
全て手書きだと枚数が多くて大変だけど印刷+手書きにすることで書きたいことも書けるし手間も省けるから。

2.手書きメッセージがないと寂しい/あると嬉しい

もらった時手書きの文字が入っていた方が、自分のことを考えてくれた感じがして嬉しいから。
全て手書きで書く時間はないが、少しはメッセージがないと寂しいと感じるから。

3.手書きと印刷を組み合わせた仕上がりが好き

個別のメッセージは手書きで書いた方がデコレーションなどが出来てかわいいから。
絵は描けないけど、自分の思いを自分の字で書きたいから!

「すべて印刷」

1.忙しいので印刷にする

受験で手書きメッセージを書く時間がないから。
受験があり、手書きをしている時間がないから。

2.デジタルの仕上がりが好き

手書きより綺麗にできるから。
コンピューター特有のフォントが使えるから。

3.手書きのクオリティに自信がない

手書きのセンスがないから。
手書きより綺麗にできるから。


「印刷のやり方がわからないから。」という意見は非常に特徴的です。

”印刷”に対して、今の学生たちは馴染みが薄いと言えるかもしれません。



 

年賀状以外での手紙を送る機会についても聞いています。




「頻繁」は1.2%、「月に数回程度ある」は2.1%、「年に数回程度はある」は16.6%と、約2割は1年の間に手紙を送る機会がある結果となりました。

「ほぼない」「全くない」を合計した割合は非常に高く、 年賀状は手書きでメッセージを送る貴重な機会となっているようです。


「手紙を送る」ユーザーに、どんなときに送るかを聞いたところ、季節のイベントや誕生日・卒業などのライフイベントで、気持ちを伝える手段として多く使われていることがわかりました。


1.誕生日や記念日

誕生日にメッセージカードか手紙を、プレゼントにつけて送る。
なかなか会えない友人や先輩・後輩の誕生日。
恋人と交互で記念日に感謝の手紙を送り合っている。

2.引退や卒業

今年は受験と卒業を控えているので、友人の受験日辺りだったり、学校登校最終日辺りに日々の感謝やエールを込めて手紙を送りました。
親友の誕生日、卒業式のときに、手紙を書いて互いに手渡しした。
卒業式とか、別れる時です。

3.あらたまってのお礼

何かをしてもらった時に直筆の手紙でお礼を伝える。
先生への感謝の手紙、節目の時など。
感謝の気持ちを伝えたい時など。

4.暑中見舞い、クリスマスなど季節の挨拶


暑中、寒中見舞い・遠方の友達。
誕生日カード、ハロウィンカード、クリスマスカード、海外(イラン)の友達とは、インターネットが遮断されたとき。
部活の本番がある時やクリスマス・誕生日等のイベントの時。

5.スマホ・SNSが使えない時

SNSの連絡先を知らない人と連絡を取りたい場合。
友達がスマホを持ってなくて情報とか伝えられない時。
遠方に住んでいるともだちが、寮生活でスマホなどを使えないため。




続いて、年賀状以外での年始挨拶の形式を、聞きました。



最も多い年始挨拶の手段は、「LINE」で全体の約9割。2番目は「リアルで会ったときに挨拶」。

3番目に「Instagram(DM)」(40.7%)、4番目に「Instagram(投稿・ストーリーズ)」(35.1%)、6番目に「Twitter(投稿)」(13.8%)、7番目に「Twitter(DM)」(6.6%)と、SNSが高い割合を占めております。



学年別にみても、中高生はInstagramの中でもDM、大学生になるとInstagramの中でも投稿・ストーリーズを使う傾向が見られます。

年始の挨拶においても、多くの学生たちはSNSを活用しているようですね。



最後に、「SNSやメールなどでの交流と、年賀状のやりとりはどう違うと思いますか?」という質問に対する、自由回答をご紹介します。


1.手間がかかる分、気持ちがこもっている

SNSは思ったことを軽い気持ちで送り合うけど年賀状はしっかり心を込めて送ります。
暖かみがある、気持ちが伝わりやすい(手間がかかるから)
単純に手間がかかる。(だから貰うととてもうれしい)
年賀状(手書きの場合)は相手のことを考えながら丁寧に文字を書くので、送る側の気持ちが片手で簡単に送れてしまうSNSやメールと比べて強く宿っているという所が大きな違いだと思います。

2.手紙は形に残る

年賀状は一生残るし、相手が手間暇かけて作ったものだから温もりというか温かみがある。
年賀状は年賀状で形に残る良いものだと思います。しかし、郵便局やコンビニなどへ買いに行ってたり手書きや印刷するという手間があり、そこはSNSとの大きな違いだと思います。SNSの良いところは手軽さ、気軽さだと思います。
年賀状はsnsと違って、「紙」という物として手元に残るし、渡すのにも手間がかかるから、より思い出として心に残りやすい

3.特別感がある

年賀状には特別感がある。新年を感じる。
"SNSを使ったやり取りは普段の会話と一諸
ハガキや手紙には特別感がある"
特別なイベント感がある

4.伝統的

snsやメールは日頃からするものだが、年賀状はお正月の年に一度の日本の伝統的な文化だと思う。トクベツなものであるし、無くしてはならない文化だと思う。
年賀状は日本の伝統文化であり、SNSとは異なった思いを込めて送れる。

5.親密度が違う

SNSでは普段からいつでも連絡可能なので誰でも気軽に送り合える。
年賀状の場合、家の住所など詳しいところまで知らなければ送れないので、本当に仲の良い友達や今後も関わりがある人にしか送ろうとは思わない。"
年賀状もやり取りするのは本当に仲がいい人だけだと思っている。
SNSやメールは疎遠な人と連絡が途絶えてしまうが、年賀状は疎遠な人とも年に1回は必ず連絡を取ったり、近況を知ることができる。

6.形式的、堅苦しい

手紙や葉書の方が堅苦しくて重い。その分気持ちは伝わりやすいと思う。ただ、喪中見舞いなど、あまり良いイメージで送られてくることは少なく感じる。
年賀状だと堅く感じるが、SNSだとフランクに感じられる。
SNSやメールは、年賀状の様に決まった形式が無いから、手軽に交流出来ると思う。


SNSと紙とでの違いは、学生たちもさまざま感じているようです。

それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、今後も若い世代では使い分けが進むように思われます。



 

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