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    Studyplusトレンド研究所

    おやつや学生生活にも“物価高”の影響、「親がパートを始めた」という声も ~中高生1,816名に“物価高”に関する調査を実施~




    Studyplusトレンド研究所では、2024年7月に「物価高についての調査」として全国の中高生にアンケートを行い、“物価高”における中高生の現状について調査しました。



     

    <調査概要>

    • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(現役の中学1年生~高校3年生)

    • 回答者  : 1,816名

      • 【属性分類】中学1年生48名、中学2年生114名、中学3年生217名、高校1年生305名、高校2年生361名、高校3年生771名

    • 調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。

    • 調査時期 : 2024年7月4日~7月9日


     


    "物価高"への評価、中学生と高校生で傾向に差があり


    最初に、中高生の"物価高"に対する関心度について聞いていきました。


    "物価高"に対する関心度を、5を最大関心度、1を最低関心度として質問したところ、75%以上の中高生が関心度4以上でした。"物価高"は中高生の間でも非常に関心が高い話題だということが分かります。


    さきほどの関心度について、学年別に平均数値を算出した図になります。学年が上がるにつれて、"物価高"への関心度が高くなっていることが分かります。


    "物価高"に対する考えについて質問したところ、9割以上の中高生は悪い面が多いと回答しました。


    さきほどの回答を「全面的に良い」を+1点、「良い面が多い」を+0.5点、「悪い面が多い」を-0.5点、「全面的に悪い」を-1点として集計し、学年別に比較しました。

    全学年において"物価高"を悪いことだと評価しながらも、中学生と高校生との間で差があることが分かりました。

    中学生では学年が上がるにつれて"物価高"の評価は悪くなっていきますが、逆に高校生では学年が上がるにつれて少しだけ評価が好転していました。

    中学生の年代では"物価高"の負の面のみに注目が集まる一方で、高校生になると視野が広がり、負の面以外にも目が向くようになっているのかもしれません。


     

    おこづかいやアルバイトの時給には7割が「影響はない」と回答


    働く大人の多くは、"物価高"による収入や消費活動への影響を感じているのではないでしょうか。

    中高生は、どのように感じているのでしょうか。



    "物価高"の影響によるおこづかいの金額・アルバイトの給料の変化を聞いたところ、ともに7割以上が「影響はない」と回答しており、"物価高"が中高生の収入面に及ぼす影響は限定的ということが分かりました。

    おこづかいや人件費削減以外の方法で"物価高"に対応しようとする各家庭・アルバイト先の努力も伺える一方で、物価上昇に応じた所持金額・賃金の上昇も限定的であるとも言えるかもしれません。


     

    おやつや学生生活などに"物価高"の影響あり、「親がパートを始めた」という家庭も


    "物価高"についての会話頻度を見ると、7割以上の中高生が友人・家族と"物価高"について会話すると回答しました。


    さきほどの回答について学年別の平均数値を算出し、集計した図が上記になります。

    「よくある」を+1点、「時々ある」を+0.5点、「ない」を0 点として集計し、学年ごとに比較しました。

    概ね、学年が上がるにつれて会話頻度が高くなっていますが、中学3年生と高校1年生では会話頻度が逆転しているのがポイントです。

    中学3年生の会話頻度は高校2年生と同程度となっており、高校1年生が低いというよりは、中学3年生の間での会話頻度が高くなっていることが考えられます。

    先ほどの設問『"物価高"について、どのように考えていますか?』と合わせて考えると、"物価高"の負の面への意識が高い中学3年生は、比例して会話の中でその話題が上がる量も増えているのかもしれません。


    "物価高"に関して家族や友人と交わす具体的な会話の内容としては、「値段が上がった商品について」「節約について」「国・政府の対応について」が多く見られました。

    中には、学食や文化祭、部活の備品や留学について会話をするという回答も見られており、学生生活にも"物価高"が影響を及ぼしていることがわかります。


    "物価高"による影響を聞いたところ、圧倒的に多かった回答は「食費が高騰し食事・おやつに影響」したことでした。外食が減ったり、お菓子を購入する頻度が減ったりするほか、食卓のメニューにも影響が出ているようです。他の生活面でも、電気代が高くなったことによって節電意識が向上したという声が見られました。

    この設問でも部活や給食といった学生生活への影響が見られており、参考書購入や趣味の「推し活」への影響といった中高生ならではの声も見られました。


    "物価高"の影響への対応策としては、やはり「食費の節約」「節電」が圧倒的に多く見られました。「食費の節約」に関しては、外食や学食の利用を控えて自炊やお弁当に変えた、価格が安い「もやしがでる回数が増えた」といった内容が上がりました。「国産肉を買うようにする」といった、円安などの影響が予想される回答も見られました。

    他にも、「節水」「親がパートを開始した」「ポイ活」といった特徴的な回答がありました。


     

    中高生は"物価高"の原因を、「円安・食料自給率の低さ」「戦争や世界情勢の影響」「地球温暖化や異常気象による不作」と認識


    『"物価高"の一番の原因は何だと思いますか?』という質問に対しては、「元々日本の食料自給率が低いために円安により食料価格の高騰が起きている」という回答、「ロシア・ウクライナ戦争や中東など世界情勢の影響」とする回答、「地球温暖化や異常気象による作物の不作」が原因という回答が、非常に多く見られました。

    その他、「現状の政策や制度」「2024年問題」「コロナ禍からの需要回復」など国内の状況、国際社会における日本の立ち位置の変化を原因とする回答もありました。経済学的な観点から、「物価が上がっていくこと自体は自然なことであり、日本社会がそれに対応できていないことが問題である」という回答もいくつか見られました。

    中高生たちが様々な視点で"物価高"の原因や仕組みを捉えていることが伺えました。


     

    「もしも自分が総理大臣なら、、、」中高生が考える"物価高"対策アイデアは?


    『あなたが社会を大きく変えられる立場(内閣総理大臣、大企業の社長など)なら"物価高"をうけてどのようなことをすると思いますか?』という質問には、さまざまな角度からの回答が集まりました。

    中でも「減税」「賃金アップ」に関する意見が多く、加えて「環境・食糧問題へのアプローチ」に関する回答も多く見られました。

    その理由としては、食卓が"物価高"の影響をダイレクトに受けていることや、若い世代だからこその環境問題への関心の高さが挙げられるかもしれません。

    他にも、「戦争や軍事費へのアプローチ」「教育による解決」「ビジネスチャンスと捉える視点」など、中高生の自由な発想による興味深い意見も多数見られました。


     

    Studyplusトレンド研究所 調査所感


    国際的な原材料価格の上昇や、円安による輸入コスト・インバウンド需要の増加などの影響を受けて、さまざまなモノやサービス、食品の値上げが続いています。家計の苦しさなどを伝える報道を目にする機会も多い中で、Studyplusトレンド研究所は“物価高”が中高生に与える影響について調査しました。

    調査結果を見ると、学校や家庭などの様々な場面で、中高生が当事者として"物価高"を実感している様子がわかりました。また、高校生になるにつれて"物価高"の捉え方が負の面以外にも広がるような傾向や、"物価高"の要因をマクロな視点から分析するような声も見られており、中高生が世の中の事象をどのように見つめているのかを垣間見ることもできました。

    記事内で最後に紹介した設問『あなたが社会を大きく変えられる立場(内閣総理大臣、大企業の社長など)なら"物価高"をうけてどのようなことをすると思いますか?』の自由回答では、教育や政策など、さまざまな視点でのユニークなアイデアが集まりました。

    今回は"物価高"をテーマとしましたが、中高生が当事者として世の中で話題になっているトピックスをどのように感じているか、その思いを知ることは、大人にとっても様々な気づきや学びが多いとStudyplusトレンド研究所は考えています。

    今後も「Studyplus」を通じて中高生の声に耳を傾け、世の中に広く発表していきたいと思います。


     

    本調査の回答者属性


    最後に、本調査に協力いただいた中高生の属性をご紹介します。

    回答者を学年別でみると、学年が上がるにつれて割合が高くなり、受験を控える高校3年生が最多でした。「Studyplus」全体のユーザー比率に近い結果となっています。


    回答者の住む都道府県については、都市部が多く、ほぼ人口比率に応じた数となっています。


     

    Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。



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