「AIに仕事を奪われる?」高校生の6割が普及に不安
- Studyplusトレンド研究所
- 10月3日
- 読了時間: 5分

Studyplusトレンド研究所では、2025年6月に「学びに関するアンケート」として全国の高校1、2年生にアンケート調査を行いました。
<調査概要>
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(高校生)
回答者 : 298名
調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。
調査時期 :2025年6月16日〜6月23日
※本リリースにおけるデータは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。また複数回答可の設問に関して、各選択肢のパーセンテージは、全体の回答者数に対してその選択肢を選んだ人の割合を示しています。1人が複数の選択肢を選ぶことができるため、選択肢の合計は100%を超える場合があります。
本記事内ではご紹介していない結果も含めた完全版レポートをご希望の方は、以下よりお問い合わせください。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe5X3GXkIqLrE8IU-UtmGFoOWwOc0UwuvpehSS-NIeELyediw/viewform?usp=header
AI普及に6割が「不安」と回答
まずは、「AIが広がることについて、どう感じるか」を聞きました。
「とても不安」と答えた高校生は約1割、「やや不安」は約5割となり、全体の約6割が不安を抱いていることが分かりました。一方で、不安を感じていないと回答した高校生は約2割にとどまりました。

続いて、AIが広がることに対する不安の理由を尋ねました。最も多かったのは「仕事・キャリア」に関する不安で、19件寄せられました。「職業選択の幅が狭まるのではないか」「自分の夢の仕事がAIに代わられてしまうのではないか」といった声が目立ちました。次いで多かったのは「思考力の低下・AIへの依存」で15件。「自分で考えることを放棄してしまうのでは」といった声が多くありました。また、「人間らしさの喪失・AIに対する恐怖」を回答した高校生も多く、「人間だからこそできることとは何か」について考える姿勢が感じ取れました。



一方で、「不安がない」と回答した人からは、「うまく使っていけば社会をより良くできると思う」「便利になると思う」といった、AIの可能性に前向きな意見が目立ちました。

AIの普及については、半数以上の高校生が「不安がある」と回答しました。自由回答では「AIに仕事や人間らしさを代替されるのではないか」といった声が多く見られました。
一方で、「不安はない」と答えた高校生からは、「AIを使いこなすことで、より便利な世の中にしたい」といった前向きな意見が目立ちました。
AI普及で変わる”学びたいこと”
続いて、「AIが普及したことで学びたいことが変わったか」について答えてもらいました。「あまり変わらない」(55.9%)という回答が半数を占め、次に「大きく変化した」(23.4%)という回答が約4分の1を占めました。「まったく変わらない」(11.4%)の回答と合わせると、学びたいことに変化を感じていない高校生は全体の約6割に上りました。

AIの登場で「新たに学びたい」と思った内容について聞いたところ、最も多かった回答は「AIを直接使いこなす技術」で、38.9%でした。その後は「語学力」(28.9%)、「コミュニケーション能力」(27.2%)、「問題解決・論理的思考力」(23.8%)と続きました。

傾向を見てみると、「AIを使いこなす技術」の他には、自身のスキルアップを挙げている高校生が多いことが分かりました。また、項目を選んだ理由について以下のような自由回答が得られました。



多くの高校生が、AIが今後の社会で重要視されることを視野に入れ、「AIへの対応」を意識していることが伺えます。
また、語学力やコミュニケーション能力を選択した高校生からは、「AIと差別化したい」という理由も多く見受けられました。AIに仕事を奪われることを避けたいという意識や、AIには代替できないスキルを身につけて、人にしか出来ない仕事を確立しようとする傾向が見られました。
その他「問題解決・論理的思考力」や「創造力やアイデアを生み出す力」など、本記事内ではご紹介していない自由回答も記載した完全版レポートをご希望の方は、以下よりお問い合わせください。
”AI普及にどう対応するか”が今後の鍵
最後に、上で取り上げた「AIの普及で新たに学びたいことは変わったか?」別に、「AIが広がることへの不安」について集計を行いました。

このグラフから、多くの高校生がAIに不安を抱いていることが分かります。
一方で、「学びたいことが大きく変化した」と回答した高校生の27.7%は、AIの普及に対して「不安がない」と前向きに捉えていました。対照的に、「まったく変わらない」と回答した高校生では、「とても不安」と回答する割合が高い(16.7%)ことが特徴的です。「あまり変わらない」と答えた層をみても、不安を抱いている割合が多く、AIに対する漠然とした不安はある一方で、学びたいこと自体に大きな変化は感じていないことが分かりました。
Studyplusトレンド研究所 調査所感
今回の調査では、AIの普及に対して「便利になる」と前向きに捉え、学びたいことを大きく変化させている高校生がいる一方で、「仕事を奪われる」「人間らしい温かみが失われる」といった不安を強く抱きながらも、学びの変化に繋がっていない高校生が多いことが分かりました。
自由記述では、AIと差別化できる力として、専門的なスキルや人間ならではのコミュニケーション能力を身につけたいという意識が見られました。
AIの普及に危機感を持つ高校生と、それを新たな学びや挑戦に繋げている高校生の間には差があり、この違いが今後のキャリアや進路選択に大きな影響を与える可能性がありそうです。今後は、高校生がAIを恐れることなく、主体的に活用できるような学習環境やサービスを整えていくことが重要だと考えられます。
調査の回答者属性
最後に、本調査に協力いただいた回答者の属性をご紹介します。



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