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    中高生の紙・デジタル併用の学習スタイルが定着、板書やノートの写真撮影・ “スクショ” 活用で端末に学習内容を保存する傾向も~勉強時の「デジタル」「紙」の使い分けについて、中高生2,967名を調査~

    Studyplusトレンド研究所

    更新日:2023年8月3日




    Studyplusトレンド研究所では、今まで中高生のスマホ・アプリ・SNSなどのデジタルを使った勉強事情に関する調査研究を実施し、発表してまいりました。



    学校現場での学習用端末の導入も進んでいる中で、中高生はデジタルと紙を併用して勉強をしております。

    10年以上前と比較して、勉強に使用するデバイス・教材の種類が増えている中で、デジタルと紙をどのように使い分けしているのでしょうか。


    その実態を探るべく、今回はイメージスキャナー「ScanSnap」を提供する株式会社PFU様と共同で、『勉強時の「デジタル」と「紙」の使い分けに関するアンケート調査』を実施しましたので、その結果をご紹介します。



     

    ◆本調査の概要

    • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(中学生・高校生)

    • 回答者  : 2,967名

    • 調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。

    • 調査時期 : 2023年5月31日〜6月5日


    ※回答者属性(学年)

     中学1年生60名、中学2年生187名、中学3年生428名、高校1年生521名、高校2年生649名、高校3年生1107名、それ以外15名


    ※回答者属性(学校種別)

     公立1,881名、国立81名、私立1,005名


     


    ①学習時のデジタル・紙併用は全体的な傾向、特に “教材閲覧時” “移動時” にはデジタルを高い割合で使用


    学習時のデジタル端末利用状況

    まずは、学校における学習用端末の普及状況について確認していきます。


    結果を確認すると、個人専用の学習用端末が普及していることがわかりました。中学生ではいずれの学年でも8割を超えています。

    高等学校では、端末導入が本格スタートしたのが2022年度ということもあり、同年度に入学した学年である高校2年生、翌年度入学の高校1年生では8割を超える結果となりました。

    来年度には、中高生全体に個人専用の学習用端末が行き渡ることが予想されます。


     

    続いて、私物のデジタル端末(スマートフォン・タブレット・PC)の学習での利用状況についてです。

    こちらは中学3年生以降で高い割合となっており、特に高校生では9割を超える数字となっております。学習でスマートフォン・タブレット・PCを使用することが当たり前な実態が分かります。

     

    端末の普及・利用が大きく進んでいることが分かった中で、実際の使い分け方について確認しました。

    使用シーンとして考えられる「授業中」「移動時」「自宅学習時」に加えて、勉強方法が「閲覧」もしくは「記述」であるかどうかで、紙とデジタルの使用比率がどのような状況かを確認しました。

    勉強方法にフォーカスすると、教材の閲覧時にデジタル端末・紙を併用する傾向にあり、記述時は紙の使用が主流であることが分かります。

    使用シーンとしては、移動時にデジタル端末の活用がより活発になる傾向が見られます。


    使用端末の種類としては、いずれの使用シーン・勉強方法においても、スマートフォン→タブレット→PCの順番となっておりました。



     

    ②「紙教材」は勉強の進めやすさ、「デジタル教材」は映像・音声の理解しやすさや気軽に勉強できることがメリット


    中高生が感じる「紙教材」「デジタル教材」のメリット・デメリット


    使い分けの背景には、紙教材・デジタル教材それぞれのメリット・デメリットが存在することが考えられます。

    具体的な内容についてアンケートを行いました。


    まずは紙教材です。


    「メモを取りやすい」「間違っている箇所などに気づきやすい」「暗記しやすい」など、勉強自体の進めやすさがメリットになっていることがわかります。

    また「勉強した証を物理的に見ることができて達成感がある」などの自由回答も得ました。


    デメリットでは、「重くて持ち運ぶのが大変」が最も多く、「場所を選ぶため、気軽に勉強しづらい」「移動中に見づらい」といった物理的なハードルが上位となりました。

    紛失や破損の懸念を示すような自由回答も見られました。

    続いて、デジタル教材についてです。


    「動画や音声で理解しやすい」が最も多く、「移動中に見やすい」「場所を問わずに勉強しやすい」「重くないから持ち運びやすい」といった、場所を問わずに気軽に勉強できることがメリットとなっている傾向でした。紙のデメリットと対の結果となっております。



    逆にデジタル教材のデメリットでは、「学習と関係のないことをしてしまう」「目が疲れる」「充電が面倒」といった、デジタルならではの特性が反映された結果となっております。

    他にも、「Wi-Fi環境の有無に左右」「端末が重い」といった声も見られました。


    また、自由記述で「デジタル端末で勉強する際に、何か欲しい機能はありますか?」という質問を投げかけたところ、以下のような回答が見られました。


    • 書き込める機能

    「紙の教材のように書き込めるようにして欲しい」
    「pcでpdfの資料を使うことが多いので場所に構わず自由に書き込めるようになってほしい」

    • 赤シート機能

    「赤シートのように見えないようにする機能」
    「赤シートなどの暗記系に特化したこと」

    • 付箋、メモ機能

    「付箋、メモを書き込める機能」
    「紙の付箋に書いて教科書に貼ってプラスでメモするようにタブレット端末にもメモってわかりやすいようにしたい」


    紙教材でできる動きをデジタル上で再現する質が向上すると、今回ご紹介した利用比率やメリット・デメリットの結果も変わってくるかもしれません。



     

    ③ 板書やノートの写真保存、 “スクショ” 活用で端末に学習内容を保存の傾向



    デジタル端末での学習時の “保存” について

    具体的な勉強内容に焦点を当てた、デジタル・紙の使い分け実態も調査しました。

    特に “保存” という観点で、結果をご紹介します。



    まずは紙教材での勉強の再現性という意味で、デジタル教材を使用する際に、付箋やメモのように印を付ける行為をどのように行っているかを聞きました。



    最も多かったのは「端末のメモ機能」、ほぼ同数で「紙のノートに書き込む」という結果に。


    併用する傾向が見られたほか、スクリーンショットや教材内の機能の活用も行われており、状況によって使い分けされていることが分かります。



     

    さらに、板書や紙のノート・参考書を写真保存するか、デジタル端末で勉強した際にスクリーンショットで保存することがあるかを聞きました。


    板書に関しては、「保存することがある」が半数を超えております。2割は「ルールで禁止されている」。



    紙のノート・参考書は、約7割が「保存することがある」という結果に。


    デジタル端末でのスクリーンショットは「毎日使う」「たまに使う」「使ったことがある」の割合が、合わせると9割超。

    板書、紙、デジタル端末の画面といったデータを格納して、勉強に活かしていることが分かります。

    スクリーンショットについては、使用するタイミングを聞きました。



    「気になったサイトやページの保存」「オンライン授業時に画面共有されたスライド資料や板書」が主なタイミングとなっておりました。



     

    最後に、これらの保存したデータの管理・整理状況について確認した結果をご紹介します。

    まずはスクリーンショットの保存データについてです。



    「使い終わったらすぐに削除してしまう」「あまり探すことがないから特に整理していない」が7割以上となりました。

    整理しているのは2割程度に。


    続いて、紙上のメモ・デジタル上のメモの管理状況です。


    「特に管理していない」が6割と最も多く、紙・デジタルを別々に管理している層が約3割となりました。

    保存・管理状況も、今後の紙・デジタルの勉強方法に応じて変化していくかもしれません。

    本テーマについては、今後も注目していきたいと考えております。



     

    ◆本調査の共同研究先のご紹介


    今回はイメージスキャナー「ScanSnap」を提供する株式会社PFU様との共同で調査を実施いたしました。PFU様は、生徒のデジタル学習をサポートする「ScanSnapデジタル学習支援プロジェクト」をこのたび開始いたします。

    詳細はこちらのプレスリリースをご確認ください。


     

    Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。



    企業・教育機関などで、若者を対象とした共同調査や研究をご希望する方は、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。



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