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中高生の80%以上が「推し活」中、グッズ購入を中心に1日1時間以上・月5,000円以内での活動が主流 ~5,831名の中高生の「推し活」事情を調査~




Studyplusトレンド研究所では、2023年11月に「推し活についての調査」として全国の中高生にアンケートを行い、現在の「推し活」の現状について調査しました。


辛い受験勉強期を精神的に支えてくれたり、逆に誘惑されてしまったりと中高生にとって大きな存在であると予想される「推し」の存在について掘り下げ、そこでの行動と消費の実態の調査とその思考の分析を行いました。



 

<調査概要>

  • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(中学生・高校生等)

  • 回答者  : 5,831名

    • 【属性分類】中学1年生294名、中学2年生502名、中学3年生1,162名、高校1年生929名、高校2年生1,121名、高校3年生1,804名、高校卒業以上19名

  • 調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。

  • 調査時期 : 2023年11月2日〜11月6日


 


回答してくれた中高生の80%以上が推し活中


まず、今回の調査に協力してくれた中高生の属性について簡単に説明します。



今回、回答者の80%以上が女性で、学年別で見ると、学年が大きくなるに連れて人数が多くなり受験前の学年が多いという、Studyplus全体のユーザー比率に近い結果になりました。



回答者の通う学校の所在地については都市部の人数が多いという、ほぼ人口比率に応じた数になっています。



アンケート回答者のうち、80%以上の人がしていると回答があり「推し活」をしている方が多数派であるということが明らかになりました。


 

最も推しているのは「K-POPアイドル・韓流俳優」「J-POPアイドル」「アニメ」。年齢によって人気カテゴリの変化あり。



次に、「推し活」の対象となる「推し」のカテゴリーや具体的な名前、推す理由などについて調査しました。





推しのカテゴリーとしては「K-POPアイドル・韓流俳優」「J-POPアイドル」「アニメ」がそれぞれ1500近い回答を得て3大カテゴリーとなっており、次いで「YouTuber・インフルエンサー」「マンガ」までが1000件超えという結果でした。


また、推しのカテゴリーの回答数を学年別に見ることで、学年による変化の傾向を見ることができました。


相対的に見ると、YouTuber・インフルエンサー、VTuberなどは特に低学年齢層で人気が高いことがわかり、「K-POPアイドル・韓流俳優」「J-POPアイドル」は学年が上がるほど比率が高くなります。学年が上がるに連れ、実際の恋愛対象に近い相手を推す傾向が高まるのではないかと予想できる。


続いて、具体的な「推し」の名前を聞きました。



自由記述してもらった中で回答の多かった名前をピックアップした結果、グループ名としては男女K-POPアーティスト・日本の男性アイドルグループ、個人名としては日本の男性アイドルの名前が目立つ結果となった。アニメ作品では「文豪ストレイドッグス」「ハイキュー」「僕のヒーローアカデミア」の人気の高さが目立ちました。

また、一言で「推し」と言っても、人・キャラクターの場合と作品に対しての場合があるということに、改めて気付かされました。


「推し」の素晴らしさ、推せるポイントについても聞いてみました。



自由記述の回答からその内容の傾向をまとめたところ、見た目やその能力を推すストレートな回答と、意外性や関係性などに良さを見出す少しメタな視点の回答があることがわかりました。


 

約半数が小学生から「推し活」を始めていて、75%以上が1年以上推し続けている


続いて、時間という切り口で「推し活」について調査しました。


一番の推し」と指定したせいか1年以上推しているという回答が75%を超えていて、事前の想像よりも一途に推している印象を受けました。




「推し活」をするようになった時期を訪ねたところ、約半数が小学生から、90%以上が中学生の時点で始めていました。




「推し活」はYouTubeがきっかけで始めているという回答が最多で、次にテレビ雑誌などのメディアと続くが、友達・家族の影響も大きいこともわかりました。また、TikTok、X、InstagramなどのSNSはきっかけとしてはそこまで影響が大きくない印象でした。



 

「推し活」で最も多い行動は、関連グッズの商品購入などを含む「育成」


一口に「推し活」と言っても実際にはどんな行動をしているのかということを、先行研究の5つの分類をベースに調査しました。

※以下の通り分類を適用:講談社「C-station」の記事「認知科学の視点で紐解く「推し活」の正体|推し活とは(前編)」より https://c.kodansha.net/news/detail/43328/

応援

  • コンサートに複数回行ったり、テレビ観覧に必ず応募したりするなどの追っかけ行動

  • SNSにコメントしたり、コンサートのレポートを書く など

生成

  • うちわ作り

  • 推しグッズ作成・二次創作 など

育成

  • 関連グッズなどの商品購入

  • 長い期間にわたり対象を応援する など

派生

  • 関連領域への関心 例:K-popが好きで韓国語を習う など

拡張

  • 聖地巡礼 ・写真をシェアする ・ぬい撮り など




実際に費用や時間、物理的な移動などが必要な「応援」をしている割合は、学年が上がり行動の自由度が上がるにつれてじわじわ増える印象だが、「少しだけしている」「全くしていない」という、あまり積極的に動けていない層も多く存在することがわかりました。




推しグッズの作成などを含む「生成」については、全体として、「少しだけしている」「全くしていない」という比率が高く、ハードルの高さを感じる結果に。積極的に行動しているのは、高校生に比べ中学生の方が盛んな印象で、行動の自由度が低い分手作りで愛を表現しているのではないかと考えられます。




「育成」には「グッズの購入」が含まれるせいか、積極的に行なっている比率がとても高い結果になりました。グッズを購入し身につけることが「推し活」の最もわかりやすい行動と言えるのかもしれません。




「派生」的な活動も全体としては少なめな印象であります。中では低学年層の方がやや活発であり、学年が低い方が影響を受け率直に行動を起こしやすいのではないかと考えられる。




「拡張」に分類される活動を積極的に行っているのは半数ほどで、移動やSNSの活用などが必要になってくるためか高学年になるにつれてじわじわ増える印象。




最後に各分類の結果を比較してみたところ、最も活発に行われているのは圧倒的に「育成」(グッズ購入など)であるとわかる結果になりました。

逆に手作りで応援グッズなどを作る「生成」はしていない比率が高く、何かを作って人に見せるということで「推し活」の中でも一定のハードルがあるのではないかと予想できる。


 


約50%が1日1時間以上の推し活を行っている




どれくらいの時間を使っているのかを調べたところ、約50%が週7時間以上、1日1時間以上の推し活を行っているということが分かる結果になりました。学年別に見ると、中高ともに学年が上がるにつれて(受験が近づくにつれて)使う時間が抑えられていく印象に。



 

「推し活」にお金を使っている中高生の70%以上が5,000円/月以内で「推し活」をしている



続いて、中高生が「推し活」にどれくらいお金をつかっているかを調べました。



まず、「推し活」をしている人の中で9%の人はお金を使っていないことがわかりました。




更に、使っている人はどれくらいの金額を使っているのかという調査からは、70%以上が5,000円/月以内で「推し活」していることがわかりました。学年が上がるにつれて多く使う層が増えていくが、それほど大きな変化ではないように見えます。高校生までに使える金額については、年齢・学年の違いよりも環境要因が大きいのではないかと予想されます。



 

多くの中高生が「推し活」によって活力を得ているが、同時に自制心と戦っていて、ポジ/ネガは表裏一体


「推し活」への思い・感想についても調査しました。




「推し活」に対してのポジティブな思い・感想から目立った回答をピックアップしたところ、全体として活動的・主体的になっているようなコメントを多く見られました。またそれぞれの推しによって特徴のあるユニークな影響が出ているという、とてもおもしろい意見も複数見られました。




逆にネガティブな思い・感想からピックアップした回答からは、「お金」「時間」など自制心との戦いがある一方で、メンタルへの影響や依存など、ポジティブで上がった項目と表裏一体の意見も目立ちました。また、人間関係で問題が出てしまっているという回答も複数ありました。



受験生の多いStudyplusとしては「推し活」の中で、学業・受験勉強のために控えている、抑えている・我慢していることも聞きました。回答から、ある程度行動を抑制・制限した上で「気分転換」「ご褒美」として「推し活」をしているのが見て取れる結果となりました。



 

「推し活」をしていない人の半数以上は「したくない」「興味がない」


「推し活」をしていないという約1000人からも回答を得ることができたので、「推し活」への印象を調査しました。



身の回りに「推し活」をしている家族や友人の有無を尋ねた結果、いないという人は10%以下であり、改めて「推し活」の普及・広がりを感じる結果に。




「推し活」をしたいかという質問に対しては、「興味がない」「したくない」という意見が60%を超えていて、しないようにしているというよりは、主体的に「しない」ことを選んでいることがわかる結果となりました。




していない人の「推し活」についての思いを調査したところ、「楽しそう」「好きなものがあるのは良いこと」という温かい意見が多い一方で、一種の虚しさの気配を感じている回答も目につきました。



 

Studyplusトレンド研究所 調査所感


今回は中高生の「推し活」について、現在の大まかな状況を把握する調査になりました。

まず「推し活」は80%以上の中高生が行っていて、もはや多数派の活動になっているという事実を確認できました。「推し」の対象としては「K-POPアイドル・韓流俳優」「J-POPアイドル」「アニメ」が多く、小学生の頃からYouTubeやテレビ・雑誌をきっかけに「推し活」を始めたという人が多いということもわかりました。


「推し活」の実情としては、グッズの購入を含む「育成」にあたる行動が最も多く行われており、1日1時間以上の活動を、月に5000円以内で行っている割合が高いことも浮かび上がってきました。

また「推し活」の影響としてはポジティブなものが大きいことがわかった反面、思いが強いが故に依存してしまったりダメージを受けてしまったりというリスクの存在にも気づかされます。


「推し活」が中高生の行動・思考に与える影響の大きさを認識させられる結果になりました。

中高生時代に好きな芸能人ができたり、ミュージシャンができたりというのは昔からよくあることではあります。それら多くの大人も経験した普遍的な思春期の憧れ的な行動と比較して、現在の「推し活」にはどんな特徴や課題があるのかを認識して理解を深めていきたいので、引き続き調査・研究を行っていきます。



 

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