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Studyplusトレンド研究所

【高校生1,401名対象】Instagram利用状況を調査 〜鍵をかけたメイン・サブ・裏アカウントを使い分け、2人に1人は年に1回以上フォロワーを整理する~



Studyplusトレンド研究所では、2024年7月に「SNSに関する調査」として全国の高校生にアンケートを行い、SNSの利用状況や実態を調査しました。今回はInstagramの利用傾向に着目してまとめた結果をご紹介します。


※X・TikTok・LINE等の利用状況を含む「SNSに関する調査」全体の結果をまとめた記事は、下記よりご覧になっていただけます。



 

<調査概要>

  • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(現役の高校1年生~高校3年生)

  • 回答者  : 1,401名

  • 調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。一部、回答者に向けてオンラインでのインタビュー調査を実施。

  • 調査時期 : 2024年7月22日~7月26日


 


今高校生に一番使われているSNSとしてのInstagram


まず、他のSNSなどと比較しながら、Instagramがどれだけ利用されているかを再確認します。


こちらは、各SNSの利用頻度を「週1回以上」「月に1回以上」という大きなくくりでシンプルに整理しなおした表です。

こちらの表から、InstagramはXと比較して15%以上多く閲覧されていることが確認できます。また、投稿の頻度に注目すると、「週1回以上」ではXとは数%程度の差しか無いものの、「月に1回以上」と期間を広げると20%以上の差が生まれることから、Instagramには月に1回程度の「たまに投稿する」ユーザーが他のSNSに比べて多いことがわかります。



また、利用目的についても改めて見ると、Instagramでは自分の関心のある分野や世間一般など「遠い」ところにある情報を得るためと、周囲の友達など「近い」ところにある情報を得るための両方に利用されており、同時にリアルな友人との交流や自分の情報の発信にも使われていることから、全方位で利用されるSNSとなっていることがわかります。


 

複数アカウントと鍵(非公開)アカウント

Instagramはサービスの構造からも複数アカウントでの利用を前提として作られていて、簡単にアカウントを作ることもできるということもあり、実際にたくさんの人が複数アカウントで利用しています。

この質問では、アカウントの数とその中に占める鍵(非公開)アカウントの数を回答してもらっています。その結果、2〜3個のアカウントを持っているというユーザーが多く、その多くを非公開アカウントとして運用していることがわかりました。

後述のインタビューなどと照らし合わせて考えると

  • リアルな自分としてのアカウントが複数あり、フォロワーとの関係の深さに応じてフォローを許す条件が違う。

  • 全て鍵アカウントになっている。もしくは、多くの人に見られることを前提とした公開アカウントとしての本アカが存在する。

  • それぞれの鍵アカはそれなりに関係性のある人からの「フォローリクエスト」を「通す」ことでフォロー・閲覧を許可している。

というような使い方が、積極的にInstagramを使う層では「普通」であることがわかりました。



Instagramでは、3つのキャラクターが存在し、親密度に応じた合計6つの鍵アカを使い分けている


高校3年生のHさんは、Instagramで合計6つのアカウントを使い分けています。お話を伺ったところ、これらのアカウントには3つの人格があり、それぞれフォロワーとの親密度によってさらに細かく使い分けがされていることがわかりました。ちなみに全てのアカウントは鍵つきで管理され、フォローリクエストを承認する条件はアカウントによって異なっています。


「リアルな人格」

最も日常の生活を表現する人格で、日々の行動や学校での生活やそこでの人間関係についての投稿が行われています。ちなみに、この人格でのアカウントはどれもフォロワーを増やすことは目的にはしておらず、多いと感じるとフォロワーを外すなどの整理も行われます。


  • 「本アカ」 は最も社交的で本名で運用しているアカウントでありフォロワーは400人程度。同じ学校だったり、共通の友人がいたりなど、何かしらの縁を認めればフォローを認めます。目的は人脈を広げ友達を増やすことであり、主に盛れた写真やプリクラ、顔を隠した写真などのストーリーを上げています。

  • 「サブアカ」 は約100人のフォロワーがいて、Hさんを実際に知っている人に向けて、加工された可愛い自撮りなどを投稿します。

  • 「裏アカ」 は、とても親密な関係にある友人約10人に向けて、本音やリラックスしたふざけた自撮りなど、誰にでもは伝えられない多少秘めた内容の投稿をしています。



「勉強する高校生・受験生としての人格」

また、HさんのInstagramには「勉強する高校生・受験生としての人格」で運用される2つのアカウントがあります。


  • 「勉強アカ」 は3000人以上のフォロワーがいて、ノートの写真や模試の結果を投稿し、後輩の質問などにも答えています。このアカウントへの投稿は約10分をかけて作り込まれ、頻繁に更新されます。応援されることや、投稿への反応が勉強へのモチベーションになるので、フォロワーを増やすことも目指しており、実際に投稿に対してはたくさんのいいね、コメントが寄せられます。

  • 「(勉強アカの)日常アカ」 は上記の「勉強アカ」のプライベートサイドでフォロワーは200人程度、個人情報が特定されない程度に、勉強以外のプライベートな内容を投稿しています。具体的には、遊びに行ったことや購入品、ファッションに関する投稿が行われています。


「推し活を楽しむ人格」

  • 最後に、Hさんは「推し活を楽しむ人格」としてのアカウントも運用しています。このアカウントは、Hさんの好きなアーティストの情報収集の為のTwitterアカウントから派生したもので、関連する写真や情報をアップしていて、オタク同士でフォローし合い、コメントなども交わしています。



 

Instagramでの人間関係の拡大


約3人に1人が週に1〜3個のアカウントを新たにフォロー

こちらの質問からは、約3人に1人が週に1〜3個のアカウントを新たにフォローしていることがわかります。



5人に1人はDMで4人以上の相手とやりとりしている

こちらの質問ではまず、約60%に当たる5人に3人が週に1人以上とDMでのやりとりを行っていることがわかります。4人以上の相手とやりとりしている人も約20%に当たる5人に1人はいることもわかりました。



約40%が半年に1回以上、新しい相手とDMでやりとりを始める

こちらの質問では回答者の半数以上がDMで新しい人とのコミュニケーションを取り始めたことがあることがわかります。3ヶ月〜半年に1回程度が約40%を占めることからその頻度は必ずしも高くは無いものの、Instagramから新しい人間関係が生まれていることがわかります。



7人に1人はInstagramでのDMをきっかけに初対面の人と会っている

こちらの質問では、約15%に当たる7人に1人がInstagramでのDMのやりとりをした初対面の相手と実際に会うということを、1年に1回以上は行っていることがわかります。上の質問と合わせて、7人に1人は、InstagramでのDMのやりとりをリアルでも関わるほどの人間関係の構築のきっかけとして使っていることがわかります。



7人に1人はInstagramの投稿に30分以上をかける

この質問では、一つの投稿にかける時間について回答してもらいました。約40%に当たる5人に2人は10分以下程度で投稿している反面、15%に当たる約7人に1人は30分程度から1時間以上の時間をかけてひとつの投稿を作り上げていることがわかります。



2人に1人は、年に1回以上フォロワーを整理する

こちらの質問ではフォロワーの整理、つまり自分をフォローしている人を確認して不適切だと思う相手をフォロワーからはずすという行動の頻度について聞きました。その結果約50%に当たる2人に1人は1年に1回以上、約10%に当たる10人に1人は月に一度以上の頻度でフォロワーの整理を行っていることがわかりました。

Instagramを利用する上で「誰に見られているか?」は非常に重要なポイントなのではないかと考察できます。



5人に2人、年に1回以上自分の過去の投稿を整理(削除)する

こちらの質問では自分の過去の投稿の整理(削除)について質問しました。その結果、約40%にあたる5人に2人は年に1回以上、約10%にあたる10人に1人は月に1回以上投稿の整理をしていることがわかります。高校生にとって、過去の投稿を遡りやすいInstagramにおいては「何が見られているか?」も重要なポイントであることがわかります。



3人に2人はそれぞれのアカウントでキャラを設定している

こちらの質問では、複数アカウントでの利用が多いInstagramにおいて、俗に言う「キャラ設定」があるかどうかについて聞きました。投稿をすると言う人の約3人に2人は「キャラ設定」があると回答し、2人に1人はその設定に沿った投稿をしていると回答。積極的に投稿する場合には「どんな投稿をすることでどのように見られたいか?」という意図を持って利用しているということがわかりました。


この質問では、Instagramの具体的な使い方や自分なりのポリシーについて自由に回答してもらいました。アカウントの鍵の管理と、個人情報の管理、また投稿のする写真の内容や発言の影響力について気をつけていることがわかります。そして、それらのルールを無視して本音を出せる場所として裏アカ(心を開ける相手にしかフォローさせない鍵アカ)を持っているという例が多く見られました。



フォロワーが多ければいいという訳ではない。「交換宣伝」など昔は行っていたが、高校生でやっていると「イタい」と思われる。


高校1年生のKさんは、所持しているアカウントも少なく、そこまで積極的にSNSを使いこなしているというタイプでは無いようでしたが、いくつか興味深い話を聞かせてくれました。


こちらからの Instagramのアカウントなどでインフルエンサーのようにフォロワーを増やしたいか? という問いに対し、


  • 中学生くらいだとフォロワーが多いのがかっこいいと思っていて、交換宣伝などをしてフォロワーを増やそうとする人がいる

  • 高校生でも交換宣伝をしている人はいるが、周りから「イタい」と思われてしまうこともある


ということでした。交換宣伝はInstagramなどで、お互いの投稿を引用の形で紹介しそれぞれのフォロワーを誘導して双方のフォロワーを増やすという手法。マーケティングなどでは知名度の向上の為に有効な方法として用いられるようです。SNSの使い始めは数字を大きくしたくてやってしまいがちなものの、少し大人になるとちょっと恥ずかしい行為に見えてしまうこともあるそうです。



初対面の人にはインスタのアカウントは教えられるけど、LINEの交換はしない


インタビューから、連絡手段としてのInstagramとLINEについても理解が深まる部分がありました。よく「最近の子はインスタのDMでやり取りする」という話をよく聞くけれど、この表現では解像度が低いということがわかりました。


InstagramのDMでもコミュニケーションは取るけれど、家族や友人との早いレスポンスを期待するやり取りを行う際にはやはりLINEが利用されています。Instagramでもやり取りは行われますが、アカウントのフォロワー数やオープンさによってその重要度・緊急度などは違ってくるようです。同じ相手と複数のアカウントで、別のテーマについて割とだらだらと会話し続ける、1対1なのに聖徳太子のような状況になることもあるという例もありました。


また、人との距離感の感覚で言うと、初対面の人にInstagramの本アカは教えるけれど、LINEの交換は親しい人としかしないというような感覚が多いことがわかりました。Instagramの本アカは、インターネット初期の自作のホームページ、mixiのような初期SNSのアカウント、リアルな社会での名刺に近いものであると言う印象を受けました。




 

Studyplusトレンド研究所 調査所感


今回の調査で、Instagramが多くの高校生にとってとても重要な「社会」であること、その使い方には「たくさんの人と繋がりたいけど、周りには迷惑をかけず、自分の世界を守りたい」というような強い自意識が反映され、繊細で複雑なものになっていることがわかりました。

大人からの視点に立っていると、高校生がずっとInstagramを見ている・投稿に1時間以上かけているという姿を見ると「何をそんな物にのめり込んで振り回されているんだ」を思ってしまいがちですが、そのスマホの画面の向こう側には広くて複雑なその子ならではの社会があるということを垣間見ることができたかと思います。


 

本調査の回答者属性


最後に、本調査に協力いただいた高校生の属性をご紹介します。



 

Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。



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