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    【探究学習で難しいこと】37.4%の高校生が「テーマを決めること」と回答

    • Studyplusトレンド研究所
    • 9月5日
    • 読了時間: 5分
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    Studyplusトレンド研究所では、2025年7月に「探究学習に関するアンケート」として全国の高校生にアンケート調査を行いました。



    <調査概要>

    • 調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(高校生)

    • 回答者  : 1,168名

    • 調査方法 : 学習管理アプリ「Studyplus」上でアンケート回答を依頼し、オンラインで回答を回収。

    • 調査時期 : 2025年7月25日〜7月29日


    ※本リリースにおけるデータは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。また複数回答可の設問に関して、各選択肢のパーセンテージは、全体の回答者数に対してその選択肢を選んだ人の割合を示しています。1人が複数の選択肢を選ぶことができるため、選択肢の合計は100%を超える場合があります。


    本記事内ではご紹介していない結果も含めた完全版レポートをご希望の方は、以下よりお問い合わせください。https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe5X3GXkIqLrE8IU-UtmGFoOWwOc0UwuvpehSS-NIeELyediw/viewform?usp=header




    文部科学省は2022年度に「総合的な探究の時間」を導入しました。予測不能な世の中だからこそ、自ら考え、調べ、問題を解決する力「生きる力」の育成が必要だと明記されましたが、その言葉の通り、ここまでのAIの進化は予測できていなかったのではないでしょうか?予測不能な世の中で、高校生たちは「探究学習」をどう捉え、どう生かしていきたいと考えているのか聞いてみました。


    探究学習の目的は「考える力・話す力を育てるため」と認識

    探究学習の目的について、どのように受け止めているのかについて、一番多かったのは「勉強以外の力(考える力・話す力)を育てるため」(50.4%)となりました。この結果から、文部科学省や教育機関が定義している「探究の見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の在り方・生き方を考えながら、よりよく課題を発見し、解決していくための資質・能力を育成すること」という目的は一定浸透していることが伺えます。また近年、年内入試に探究学習の成果を活用している学校が増えてきていますが「進路に役立てるため」は12.6%となりました。



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    さらに、探究学習をどのように活かしたいかについては「人に伝える力を伸ばしたい」「将来の夢を考えるきっかけにしたい」「社会のことに関心を持つ材料にしたい」がそれぞれ約20%ほどになりました。一方「入試に利用したい」は9.3%となりました。


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    37.4%が「テーマを決めるのが難しい」と回答

    探究学習の中で難しいと感じている工程は「テーマを決めること」で37.4%となりました。

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    テーマを決める際に参考にしているものは「自分の趣味・好きなこと」(64.8%)が最も多く、テーマ選定に関しては自由度が高いと考えられます。そのほか「SNSやYouTubeなどのネット情報」や「ニュース記事」に30%近く票が入ったほか、「志望大学からの発信」は9.3%となりました。


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    探究学習の際に利用しているアプリやオンラインツールについて、23人が学術文献を検索できるツール「Google Scholar」を挙げました。その他「ChatGPT」を17人が使っていると回答しました。この項目の回答者170人のうち、AIを利用しているのは1割程度となりました。


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    グループで深めるか、個人で深めるか

    探究学習でどのような取り組みをしているか聞きました。2年前に実施した調査結果と比較した結果、「調べ学習」と「グループディスカッション」が約10%減っていました。

    ※今回新たに『クラス外への発表』の項目を設けて質問しているため正確な比較はできませんが、目安として示しています。

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    また、現状の進め方に対して生徒が求めていることを聞きました。まず「グループディスカッション」に対して「グループ活動になることで自分のしたかったことからずれてしまう」「グループ全体で評価されることに違和感を感じる」といった意見や「グループ決めが出席番号で適当」といったグループの振り分け方に関する回答がありました。


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    また、探究学習の目的や意義、進め方への説明が不十分であるといった意見もありました。


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    また、サポート体制については、「プリントだけ渡されて個人に委ねられている」「進め方の説明が動画でわかりづらい」など、答えのない「探究」の学びへの戸惑いから厳しい意見もあがりました。

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    その他「ICT・ツールに関して」や「テーマ設定に関して」など、本記事内ではご紹介していない自由回答も記載した完全版レポートをご希望の方は、以下よりお問い合わせください。


    九州・沖縄、北海道・東北は「学校外との連携」に力を入れているか

    探究学習の取り組み内容に関して地域ごとに集計しました。地域差が出た項目は「学校外(地域・人)との連携」で、九州・沖縄と北海道・東北は約50%でしたが、関東は約30%で20ポイントほど開きが出ました。また、近畿は他の地方と比較して「調べ学習」の数値は低くなりましたが、「発表(クラス内・クラス外ともに)」や「ポスターセッション」は高くなっています。


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    ※地域で一番高い数値を青色で示しています。


    Studyplusトレンド研究所 調査所感

    今回の調査結果から、探究学習の目的は「考える力・話す力を育てるため」(50.4%)だと認識し、“自分を成長させるための学び”にしたいと考えている生徒が多いことがわかりました。一方でテーマの選定には課題があり、「自分の趣味・好きなこと」(64.8%)を出発点にしつつも、「決めることが難しい」(37.4%)と感じていることがわかりました。


    また、自由回答からは、「先生からのサポートが少なくプリントだけ渡されて終わり」「知的好奇心をそそる仕組みが必要」といった進め方への戸惑いや「まずは生徒のやる気を引き出すことが大切」「テーマ設定や進め方が曖昧で困る」などサポート体制への不満の声が寄せられました。


    「探究の学び」は世の中の不確実性に呼応してより一層求められることでしょう。ただ、教育機関や教員に委ねる体制には課題がありそうです。子供たちをどう導いてあげるのか、地域や企業、メディアを含めた社会全体で考えていくことが日本の未来を少しでもよくするための第一歩になりそうです。


    調査の回答者属性

    最後に、本調査に協力いただいた回答者の属性をご紹介します。

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    Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。


    企業・教育機関などで、若者を対象とした共同調査や研究をご希望する方は、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。



     
     
     

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