Studyplusトレンド研究所が実施した過去調査では、中高生のスマホデビュー時期は中学1年生が最も多く(※1)、SNSを利用している中高生の割合も9割超(※2)となっており、スマホやSNSといったデジタルツールが学生の日常生活に欠かせないものとなっていることがわかります。
デジタルツールが普及した影響は、受験生の学習方法や情報収集のあり方にも表れています。過去調査では、大学受験生が “スマ勉”(=スマホで勉強)する割合は97.2%という高い割合(※3)であり、大学情報も約8割が紙よりデジタル(WEB、YouTube、SNS等)で収集する(※4)と回答しています。今から10年ほど前の受験生はアナログな学習や情報収集が主流でしたが、現在の受験生はデジタルを活用する比重が高まっていることがわかります。
これらの結果を踏まえて、Studyplusトレンド研究所は、受験生の姿には時代の変化が反映されると考えています。
新しい時代の「トレンド」をキャッチするために、受験生の間でのさまざまなジャンルの流行や勉強実態を定点的に調査し、「受験トレンド白書」として世の中に発表していきます。
※1、※2 「通学とスマートフォン・SNS利用に関するアンケート」調査より
※3 「大学受験期のスマホを活用した学習に関するアンケート」調査より
「受験トレンド白書」は、受験期の勉強を支えたコンテンツやアイテムをまとめた“ランキング編”、受験傾向や後輩へのメッセージ等をまとめた“ホンネ編” の2編に分けて公開しました。
本記事は、“ホンネ編”の紹介です。
※ "ランキング編" はこちらからご覧になっていただけます。
<調査概要>
調査対象 : 全国の「Studyplus」ユーザー(2023年4月に大学へ入学した新大学生)
回答者 : 840名
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2023年4月7日〜4月12日
調査項目・結果のご紹介
2022年度に大学受験をした学生に、大学受験期に関する調査を行いました。
大学受験の勉強を本格的にスタートした時期
受験勉強のスタート時期は、「高校3年生・春」が最も多く26.2%、続いて「高校3年生・夏」が25.1%となりました。
高校3年生の春から夏にかけて部活動を引退する生徒が多いことを踏まえると、部活動の引退時期=受験勉強をスタートする時期である学生が多いことを示している結果と言えるかもしれません。3番目に多いのは「高校2年生・冬」で、15.1%という結果でした。
【回答一覧】
「高校3年生・春」・・・220票(26.2%)
「高校3年生・夏」・・・211票(25.1%)
「高校2年生・冬」・・・127票(15.1%)
「高校3年生・秋」・・・64票(7.6%)
「高校2年生・夏」・・・54票(6.4%)
「高校2年生・秋」・・・44票(5.2%)
「高校2年生・春」・・・35票(4.2%)
「高校3年生・冬」・・・19票(2.3%)
「高校卒業後」・・・18票(2.1%)
「高校1年生・春」「高校1年生・冬」・・・15票(1.8%)
大学受験期に一番我慢したこと
最多は「ゲーム」でした。スマホゲーム、TVゲーム双方の回答が見られています。
また上位10回答の中に「SNS」「YouTube」「Instagram」「スマホ」がランクインしており、スマートフォンの誘惑を遠ざける受験生が多かったようです。『勉強以外のアプリをすべて削除した』といった回答も見られました。
「我慢しない」という回答も上位に位置しており、『ストレスを貯めないために我慢しすぎることをやめました。』『我慢して勉強するのは非効率だと思った』といった息抜きの大切さを主張する回答も見られました。
【上位回答一覧】
「ゲーム」・・・188票(22.4%)
「遊び」・・・116票(13.8%)
「SNS」・・・110票(15.1%)
「友だちと過ごす時間」・・・68票(8.1%)
「推し活」・・・63票(7.5%)
「YouTube」・・・55票(6.5%)
「我慢しない」・・・47票(5.6%)
「Instagram」・・・41票(4.9%)
「スマホ」・・・37票(4.4%)
「漫画」・・・29票(3.5%)
大学受験で出願した学校数
出願した学校数は「3校」「4校」が同数で、最も多い回答となりました。
その後は「5校」「2校」「6校」「1校」が続いており、いずれも10%程度の割合を占めています。
「10校以上」という多くの大学を併願したことがわかる回答も、一定数ありました。
【回答一覧】
「3校」「4校」・・・146票(17.4%)
「5校」・・・117票(13.9%)
「2校」・・・103票(12.3%)
「6校」・・・89票(10.9%)
「1校」・・・85票(10.1%)
「7校」・・・59票(7.0%)
「10校以上」・・・52票(6.2%)
「8校」・・・28票(3.3%)
「9校」・・・15票(1.8%)
大学受験の合否確認で一番多かったスタイル
かつての大学受験は、キャンパスの掲示板に張り出された合格番号一覧から受験生が自分の受験番号を見つける光景が一つの風物詩となっておりましたが、今ではほぼオンライン化されたことが分かる結果となりました。
ウェブサイトでの発表が96.3%となっており、大学構内での掲示は0.5%にとどまっております。
【回答一覧】
「ウェブサイトで発表」・・・809票(96.3%)
「合格通知書の郵送」・・・23票(2.7%)
「大学構内での掲示」・・・4票(0.5%)
「その他」・・・4票(0.5%)
大学受験の合否を最初に報告した相手
合否を最初に報告した相手は、「母親」が66.4%で圧倒的でした。
2番目に「父親」が10.5%、5番目に「祖父母」が2.1%と続いており、多くの受験生が家族へ最初に報告していることが分かります。
「友人」も9.4%と、多くの割合が見られました。
【上位回答一覧】
「母親」・・・558票(66.4%)
「父親」・・・88票(10.5%)
「友人」・・・79票(9.4%)
「学校の先生」・・・42票(5%)
「祖父母」・・・18票(2.1%)
「塾・予備校の先生」・・・13票(1.5%)
大学受験の合否を最初に報告した相手への報告手段
「直接伝えた」が圧倒的に多く、半数を超えました。
自宅にいるときにウェブサイトで合否を確認し、家族に伝える、、そんな受験生の姿が目に浮かびます。
「LINEで伝えた」も3割を超えており、「電話で伝えた」という回答も約1割を占めておりました。
【上位回答一覧】
「直接伝えた」・・・439票(52.3%)
「LINEで伝えた」・・・267票(31.8%)
「電話で伝えた」・・・97票(11.5%)
「メールで伝えた」・・・12票(1.4%)
「Instagramで伝えた」・・・4票(0.5%)
大学受験終了後、自分へのご褒美
最も多い回答は、「旅行」でした。
『友だちとの卒業旅行』や、『家族旅行』を楽しんだという回答が多く見られました。コロナ禍が収束に向かい、遠出した学生が多かったのかもしれません。
続いて「遊び」「友だちと過ごす」が続いており、ディズニーランドやカラオケなどの回答も見られています。「買い物」「食事」も多くの票数を集めました。
我慢したこととしては「スマホ」「SNS」関係の回答が多く挙がっていましたが、ご褒美はリアルな体験系が多く見られています。
【上位回答一覧】
「旅行」・・・439票(18.7%)
「遊び」・・・139票(16.5%)
「友だちと過ごす」・・・137票(16.3%)
「買い物」・・・131票(15.6%)
「食事」・・・118票(14.0%)
「ゲーム」・・・86票(10.2%)
「睡眠」・・・46票(5.5%)
「推し活」・・・36票(4.3%)
「だらだら」・・・35票(4.2%)
「おしゃれ」・・・27票(3.2%)
大学受験に臨む高校生たちへのアドバイス
自由記述で回答を求めたところ、たくさんのメッセージが寄せられました。
多く見られた3つのジャンルのメッセージをご紹介します。
① 最後まで諦めないで!
「例え模試がD判定、E判定でも諦めないで!!自分を信じて最後まで勉強し続ければ、可能性は十分にあると思います💪」
「今やってることは面倒くさいとかやめたいとか思っても、必ず受験に役立ちます!最後の最後に実力があがったりします!最後まで諦めずに頑張ってください‼︎」
「1回目の受験での一番の失敗は、『もう間に合わないと思うのが早すぎた』ことです。模試の判定的にも、それにこれまであまり勉強してこなかったと思っても、今からやろう、と思える強さが大事だと思います。最後まで諦めないって口で言うほど簡単ではないけれど勉強をサボってしまった自分を責めるのではなく、それも自分だと受け止めて前に進んでほしいです!心から応援しています。」
② 我慢しすぎず、適度な息抜きを!
「今しか出来ないことだと思うので、後悔がないようにしてください!推し活とかSNSは無理に我慢することはないと思います。それを励みに頑張れるようにすれば大丈夫です。自分のペースで目標に向けて頑張ってください!」
「自分がやりたいことばかりできる一年ではないと思います。我慢しなければならないことが多いと思いますが、たまには息抜きが大事です。私は音楽を聴いて何度も励まされました。やる気の出ることにつながればいいと思います。」
「自分を成長させてくれた1年でした。偏差値以上に大切なことを知ることが出来ました。程よく息抜きをして頑張ってください」
③ 後悔のないように頑張れ!
「自分が後悔しない一日を毎日過ごして欲しい。今夢がない人は、夢を見つけるためにも、夢がある人は夢を叶えるためにも、勉強は必要になる。そうすると一見無駄だと感じる勉強が無駄では無いのではないかと感じることが出来、楽しめると思う。精一杯頑張って欲しいです!」
「努力が報われるとは限らないけど努力した過程は無駄にならない。大学受験は確かに人生の中で重要なイベントではあるけどそれが全てではないと思う。とにかく後悔だけはしないように自分の軸をしっかり持って絶対この大学に行くんだという意志を貫き通してほしいです。」
「最後まで諦めずに!迷ったら1番後悔のない選択をしてください!!」
Studyplusトレンド研究所 所長 島田 豊 コメント
今回は、 “ホンネ編” を発表しました。
合否確認方法がほぼオンライン化され、受験生が我慢する対象もスマホ・SNSに関連するものが上位という結果は、現代の受験生ならではの姿を映し出していると感じました。
一方で、合否を伝える方法で「直接伝えた」がもっとも多かったり、受験後のご褒美がリアルな体験系が多かったりと、あえてリアルが重視されている部分も多く見られました。
勉強するために便利なツールは過去より増えましたが、後輩である現役高校生に向けたアドバイスを見ると、受験生自身が目標に向かって努力することの大切さがわかります。
懸命に頑張る受験生を支えていけるような取り組みを、当社も進めていきたいと考えています。
Studyplusトレンド研究所では、学習管理アプリ「Studyplus」のユーザーである若者に向けて、定期的に調査を行っています。
企業・教育機関などで、若者を対象とした共同調査や研究をご希望する方は、問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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